つなげる30人新聞

【渋谷をつなげる30人 5期 Day7】〜走りきったからこそ見えた景色〜

渋谷をつなげる30人ラスト

東京では日に日に暖かくなり桜も咲き始めた2021年3月17日(水)。「渋谷をつなげる30人」第5期は、本日いよいよ最終報告会です。

最終報告会も今年度はオンラインでの開催となりましたが、80名近い参加者にお集まりいただくことができ、またリアルタイムでのチャット欄へのコメントやフィードバックシートを活用し、オンラインでの強みを活かす新たな報告会の形となりました。

 

本日の報告会の場にはメンバーそれぞれの所属先の関係者もお越しいただく中で、はじめは緊張していた表情だった参加者たちも、メンバー間でのチェックインやチームメンバーとの対話、またファシリテーターの加生氏からの「こんな素晴らしいプロジェクトを行っているのは日本中、世界中に自分たちしかいないという自信持って!」という言葉に励まされ、これまでおこなってきたことへの自信に溢れた表情へと変わっていきました。

報告会には今年度も長谷部区長、澤田副区長にご参加いただき、それぞれのチームへの愛のこもったアドバイスをいただけることに。

そして、今年度は渋谷区から人事部杉浦さんや、Slow Innovation代表野村氏、そして第1期〜第4期までの渋谷をつなげる30人メンバー、名古屋30人のメンバーなどオンライン開催を活かし、非常に多くのメンバーからフィードバックをいただきました。

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それではここから各チームの最終報告内容をまとめていきます。

今年度の全体のテーマは「渋谷発!コロナ禍の変化の兆しをイノベーションに」です。

各チームオンラインでの制限がある中で、それを新たなイノベーションの起爆剤として、素晴らしいプロジェクトを立ち上げることができました。

 

1チーム目は、『渋谷ド派手デビューチーム』です。

このチームのプロジェクトは、「渋谷をアーティストたちがやりたいことや描きたいことを自由に表現できる場にすること」がテーマです。

世界一通行人数が多いと言われているスクランブル交差点の巨大ビジョンで、渋谷発の新人アーティストのライブ映像を放映したり、横断歩道を舞台に演劇が繰り広げられたりといった、これまで開放されていなかった場所を表現の場として使用し、多くのアーティストがプロ・アマ関係なく表現できる街にするというプロジェクトです。渋谷がより多様性に溢れた街になる期待感が高まります。

このチームがファーストアクションとして取り組んだのが「渋谷リモート卒業ライブ」です。コロナ禍で集大成の場がなくなってしまった学生へ、発表する場の提供を行いました。

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普段は有名アーティストの中でも限られた人たちにしか開放されていないTSUTAYA店内のビジョンに、7組の卒業ライブ映像が放映されました。インスタグラムでのリアルタイム配信も行い、多くの方からのコメントが寄せられます。

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今回放映することができたバンドメンバーはもちろん、多くのアーティストへの希望となったのではないかと思います。また、視聴者としてもこれまでの生活では出会うことのできなかったアーティストのライブを楽しむことができ、このプロジェクトの面白さを体感することができました。

今回の卒業ライブの映像は、なんと今後スクランブル交差点目の前のTSUTAYA大型ビジョンでの放映が決定したとのこと!

渋谷がより一層足を運びたい場所へと生まれ変わる期待を大いに感じることができました。そして、今後このプロジェクトを通じて渋谷発のアーティストたちが次々と生まれていくことが楽しみです!

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〈ゲストの主なコメント〉

澤田副区長
NYのタイムズスクエアでは、24時になる前のラスト1分を地域のアーティストに開放しています。スクランブル交差点のビジョンを地域の新人の枠にできたらNY以上の面白い取り組みになるのではないかと思いました。

Slow Innovation野村氏
スポーツで生まれている「バスケ好きじゃなくても渋谷のチームだから応援したい」というモデルが、スポーツ以外のこうした音楽や演劇などのエンターテインメントにも派生する期待を持つことができました。

渋谷センター商店街振興組合鈴木さん
このプロジェクトを通して、センター街のクランクストリートでストリートライブを企画中です!センター街という場所もアーティストの表現の場所として開放していきます!

 

 

2チーム目は、『渋30絵本プロジェクト』です。

このチームのプロジェクトは、渋谷の多種多様なまだ知られていない活動や人物に焦点を当てて、読んだ人の「人生の引き出し」を増やす絵本を作るというもの。「ちがいをちからに変える街。渋谷区」という基本構想を掲げる渋谷区の多様な活動や人物にスポットをあて、それぞれの人生や生き方を伝える絵本をつくります。

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渋谷に行けば出会えるリアルな人や場所を描くことによって、渋谷の街へ繰り出したくなるような新しい絵本のあり方を提供します。

このチームのファーストアクションは、渋谷区に代々住まわれており、この街の移り変わりを人生とともに体感してきた方へのヒアリングをもとに作成した「このまち好きになれそうかい?」と、この渋谷をつなげる30人を通して立ち上がった、渋谷落書き消しプロジェクトへのヒアリングから作成した「カラフルこうさてん」の2冊の絵本の作成です。

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これまでは主人公として表に出ることはなかったけれども魅力的な人たちや活動に焦点を当て、絵本という誰もが手に取ることのできる媒体へ昇華することによって、誰かの生き方のロールモデルとなったり、また多様な方々への理解につながると感じました。

また、その後の展開として、渋30絵本ミュージアムや渋谷区の様々な場所での絵本の展示、読み聞かせなど、今後渋谷の街でこの絵本から派生した表現に出会えるようになることが楽しみです。

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〈ゲストの主なコメント〉

長谷部区長
偉人伝レベルの人ではなくて、地域の偉人がピックアップされていくのが素敵だと思いました。毎日掃除をしてくれているおじいさんなどにスポットを当ててほしいです。

絵本に登場する傍島さん、大西さん
絵本のシナリオ作成のためのヒアリングで、自分自身も人生や活動について見つめ直す良いきっかけとなりました。自身の経験や活動が絵本として多くの人に伝えられることは嬉しいです。

 

 

3チーム目は、『子供の遊び場プロジェクト』です。

このチームは、「渋谷区には子供が屋外遊びやスポーツをする場所が少ない」という課題感から立ち上がったプロジェクトでしたが、オープンセッションに参加された方々からの声を聞いて、「そもそも子どもたちが渋谷のことを好きではないのではないか?」「街のことを知らないのではないか?」という新たな視点が見つかり、”渋谷の街の中でのスポーツや遊びを通じて、渋谷へのシビックプライドを高めることができる仕組みをつくる”というプロジェクトに発展しました。

チームメンバーであるSHIBUYA CITY FCの応援活動やチームの選手と一緒に活動をすることなどによって、渋谷だからこそ得られる体験を子どもたちに持ち帰ってもらいます。

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このチームのファーストアクションは、SHIBUYA CITY FCの選手と一緒にオンラインでサッカーを楽しむイベントを開催しました。子どもたちが笑顔で体を動かして楽しんでいる姿を見ると、やはりこのプロジェクトのテーマである「子供の遊べる場を増やす」ことの重要性を改めて実感しました。この日の報告会では、実際に今回のイベントに参加した子供たちも登場し、楽しんで参加できたことを伝えてくれる場面も。

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今後は渋谷の様々な場所をフィールドに、このようなイベントが開催され、子どもたちの笑顔と笑い声であふれる街になっていくことが期待されます。

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〈ゲストの主なコメント〉

長谷部区長
渋谷区の中学校の部活動は、サッカー部などがチームの人数を満たせなくなっていることが課題としてあります。一人がパラレル的に部活動へ入部しても良いし、隣の中学校の部活に入っても良いといったものになれば良いと思っています。課題の解決の一つに、SHIBUYA CITY FCのメンバーが渋谷区の中学生たちにコーチするようなものがあっても良いと思いました。

Slow Innovation野村氏
”スポーツを楽しむ”ということは、世界各国共通のものなのでSHIBUYA CITY FCモデルが他のスポーツや他の街や世界に派生していくと良いと思いました。

 

 

4チーム目は、『ゆるコミチーム』です。

このチームは「おひとりさまが感じている精神的な孤独や孤立」と「コロナ禍で顕在化した飲食店の課題」という現在の社会において、とても重要とされている2つの課題を同時に解決するプロジェクトです。

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飲食店を媒介にしたおひとりさまのゆるいコミュニティをつくり、アプリケーションを通してつながり、飲食店のリピート強化を図ります。そして、このモデルをフォーマット化し、多くの飲食店が真似していける形を作り上げていきます。

ご近所付き合いなどが希薄している近年、独身者だけではなく、育児に疲れたお母さんや、仕事場以外のつながりを持ちたいサラリーマンなど、「ちょっと話がしたい」という時に繋がれる場所が減少しているのではないかと思います。こうしたゆるくつながれるコミュニティを居場所として持つことで、困った時に頼れる場所として、心の安心を保つことができるのではないかと感じました。

このチームのファーストアクションは、長年飲食店を経営され、常連客を多数抱えている「なかよし並木橋店」を介して、お店で食事をしたことのある方々が参加し、リモートで「なかよし」のデリバリー・テイクアウトを食べながら語り合う「なかよし並木橋店おひとりさまナイト」を開催しました。

実際に対話の中から新メニューのアイデアが生まれたり、なかなか普段接点のない学生と社会人がフラットにつながることができたり、1回のイベントの中でも多くの良い交流が生まれました。

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このプロジェクトの意義や重要性を強く感じられるファーストアクションとなったので、次はこのイベントを継続して様々な場所で行っていける仕組みをつくらなければなりません。今回得た治験をフォーマットに落とし込み、より多くの店舗でゆるくつながれるようになることで、多くの社会課題の解決につながると感じられました。

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〈ゲストの主なコメント〉

渋谷駅前でBarを営んでいた日比谷さん
Barのような形態のお店では、オーナーとお客さんとのゆるいつながりができていたと思いますが、一般的な飲食店はこのコミュニティ的な資質に気づいておらず、うまくワークしていません。様々な飲食店にこのノウハウを伝えていくことは、今のこの世の中にとって欠かせない取り組みになると思います。

澤田副区長
行政はすべての人にまんべんなく施策を届けることはできていません。特に30代40代の方へのケアの不足は十分理解をしているものの追いついていない現状です。こうした取り組みがあることで、またそれらと行政が連携していくことで、行政だけでは行き届かないサポートをしていくことができるのではないかと思います。

 

 

本日最後の発表は、『渋谷ワールドカフェチーム』です。

このチームは、「学生が将来やりたいことを見つけられず、働くことにネガティブで就職活動に前向きに取り組めない」という課題から、「学生が渋谷で輝いている社会人とフラットに対話をして、なりたい自分を見つけていけるシステムをつくる」ということがテーマです。

その手段として、短時間で多くの人の意見を聞くことができる「ワールドカフェ」の手法を用いています。

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このチームはオープンセッションでもワールドカフェを実践しました。そこでも多くの学生が普段フラットに話せる社会人とつながりを持てていないことや、近い大人やネットからは働くことに対するネガティブな情報ばかりが入ってきてしまっている現状が伺えました。これらの現状は、学生たちにとってだけではなく、社会全体にとってマイナスであり、早急に取り組まねばならない問題であると感じます。

そして、このチームが掲げたのが就活を楽しいものにする「就活イノベーション」です。ファーストアクションとして、渋谷の街を中心に楽しんで働いている大人たちに、どうやって今の人生を選択してきたかのプロフィールを事前に書いていただき、学生側はそれを読んで様々な質問や対話を行うことができる仕組みを構築しました。

このイベントには、メールでの招待のみで即日満員という人気ぶりで、学生からのニーズの高さも伺えます。参加した学生さんたちからは、「働くことに対する価値観が変わった」というまさに狙い通りのコメントが多数寄せられ、就活イノベーションの重要性が実感できるものとなりました。

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今後は渋谷区だけではなく様々な地域に展開し、多くの学生が、またそこから多くの大人が働くことを楽しめる社会を実現していってほしいと感じました。

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〈ゲストの主なコメント〉

名古屋30メンバー竹橋さん
名古屋をつなげる30人でもドリームクエストチームという学生の夢を応援するプロジェクトが生まれました。全国展開の足がかりとして名古屋でぜひ一緒にやらせてください。

長谷部区長
区としては、渋谷区のことを好きになって、いつの間にか渋谷区役所を志望する人が増えたらいいなと思います。

澤田副区長
自分が就職活動をしていた頃は今のようにスタートアップも多くはなく、選択肢が少なかったので、今の学生は魅力的な就職先がたくさんあって羨ましいと思っていました。就職活動にそんなにネガティブに感じている学生が多いことはもったいないと感じます。こうした取り組みから、渋谷のフィールドで働きたいと思ってくれる人が増えるとうれしいです。

 

 

今回の「渋谷をつなげる30人」第5期はコロナ禍での実施となり、開催自体が危ぶまれたこともありましたが、いざはじまってみるとオンラインの強みも活かされ、これまで以上に素晴らしいアイデアが生み出されたのではないかと感じます。

また、渋谷をつなげる30人は今年で5年目ということもあり、縦のつながりの強みを非常に強く実感できる半年間となりました。

渋谷では、これまでの「渋谷をつなげる30人」に参加してきたメンバーが各所で活躍をしており、この取り組みの成果が目に見える形で現れ始めています。第5期メンバーは、先輩方の活躍を目にすることができ、この半年間で生まれたプロジェクトをこれから推進していきやすい土台ができていると思います。

今日からがスタートです。
ここから生まれたプロジェクトが渋谷の街や全国各地、世界中で体験できる日をぜひ楽しみにしていてください!

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文章:岩谷真里奈

編集:長田涼


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