渋谷をつなげる30人 オープンセッションウィーク、3回目のセッションは「子どもの遊び場チーム」。
渋谷には子どもが遊べる空間や機会が少ない!という課題に向き合っているチームです。当日は、小学校のPTA会長、サッカーチーム、場を持つ不動産、行政など、様々な立場の方が集まりオープンセッションを開催しました。
全体的に緊張感がある中のスタートでしたが、チェックインとしての自己紹介で個々の関係性が感じられて、微笑ましい空気が生まれていました。
さて、チームが用意した問いはこちらの3つ。
問い1
「渋谷区の子供はどこで何をして遊んでいるのか、屋上でスポーツをする機会はあるのか」
問い2
「渋谷区内で屋外の遊び行うためには、どういう方法が考えられるか、解決できる施策はあるか」
問い3
「地元行政・企業は、空き地・遊休資産・公有地を用いて、遊び場の提供ができないか」
各問いは、チームが決めた「テーマに該当する方」で意見を出し合ったのちに、全員でざっくばらんに意見を交わし合うスタイルでの実施となりました。
問い1でのテーマに該当する方は、PTA会長とTUMUGUの方。
実際に子どもたちと触れ合う彼らからは、「子どもが遊ぶ場所は、実際に多くはありません」と現状の話が語られました。なぜ、遊ぶ場所が減ってきているのか?それは、自由に遊べる場所が減っていること、また子ども自身のスケジュールが過密になっていることが挙げられると話します。
その他、実際に体験したこと、耳にしたことを共有し合い、ここにある課題を浮き彫りにしていきます。通じてあったのは、「誰のためのルールなのか?」という視点の欠如のように感じました。大人がつくったルールで、子どもの自発性を蝕んでいる事実があり、大きな問題になっていると。渋谷の子どもの遊び場事情が、少しずつ見えてきました。
参加者の事情で、問い2の前に問い3を実施することに。ここでのテーマに該当する方は、渋谷区公園課・サッポロ不動産開発・東急不動産の方々です。
「場をつくったあと、どういう運用してもらうか?」「どういう公園だと、様々なひとに使ってもらえるか?」そういった視点が大事じゃないかと意見があがりました。「公園に関わるのは子どもだけではなく、近所に住んでいる方々のことも考えていかないといけない」という意見には、多くの方の頷きが伺えます。
また、「稼働率が高くない場は実際にあるので、そこの活用はできると思います」と、使える場があるという希望が見えた意見も。それを聞いた他のメンバーからは、「コンテンツは山ほどあるけど、それを実施できる場がないのが問題です」と、需要と供給が一致する兆しが感じられたテーマでした。
最後、問い2でのテーマに該当する方は、TOKYO CITY F.C.と渋谷の遊び場を考える会の方々です。
このテーマでは、「TOKYO CITY F.C.ではサッカー教室や、代々木上原でハロウィンにキックターゲットを道路で実施したことがあります」と、これまで実行したプロジェクトの共有からスタート。ただ、コロナになり、家庭内フラストレーションが溜まり、家庭内暴力が起こってしまうケースがあると、信じがたい現状があることも共有されました。
また、大事な視点として、仕組みというハード面だけじゃなくて、教え合う関係性というソフト面に目を向けることが大事じゃ無いか?という議題に。その先にこそ、渋谷らしい”解”が生まれてくると話していきます。子どもの成長や、遊びにポジティブなアクションを起こすためにも、「憧れ」を感じる瞬間をつくっていくことの重要性も話され、今の時代に失われつつある大事なことに気がつけたような感覚を持ちました。
このように、様々な視点から「子どもの遊び場」について語られた90分。
最後のチェックアウトでは
「とても可能性を感じられる会でした。スモールスタートが最初の一歩になり、そこから広がっていくと思います」
「課題はいろいろあると思うけど、伸び代があると思いますので、今後いっしょにいろいろやっていきましょう」
「いつも子供不在で話してしまうので、子供を中心において話す場があるといいかもしれません」
など、前向きな感想・意見が述べられて、このオープンセッションの充実度を物語っていたように思います。
オープンセッションだからこそ得られた気付きを、今後の活動にどう生かしていくのか?「子ども遊び場チーム」の今後に、要注目です!