つなげる30人新聞

京都をつなげる30人 第2期 Day1 〜 過去に寄りかからず、いまの京都と出会い直す
〜

kyoto30_2_1_1

2020年 11月4日、「京都をつなげる30人」第2期が始まりました。

観光都市でもある京都では、Covid-19による社会変化によって日常の風景が様変わりするような体験を経てのスタートに。

いまの京都だからこそ展望できる未来に向けて、30人から生まれるものを具体的に政策へ活かし、まちづくりとして実現していけるよう、協定を結ばさせていただいている京都市さんにご協賛いただくと共に、今期からは4社さんに協力企業としてご参加いただいています。

また、今年はオンラインでの開催ということで、第一期とはまた違った景色が見えることが予感されます。その様子をご紹介していきます。

 

 

■Slow innovationとは

第2期の初日となる今回は、Slow innovation 野村のイントロダクションから入ります。

 

kyoto30_2_1_2

kyoto30_2_1_3

「様々な立場の30人が集まりセクターを超えて対話することで、それぞれが自己の価値を再定義し、協創の場のエネルギーを起こしていくことができます。 京都には、世界的にインパクトのあるイノベーションを起こせる可能性があると信じています。」

昨年、想定していたよりもずっと多くの時間を京都で暮らすようになった野村。さらに京都への愛が増し、この「京都をつなげる30人」への思い入れも感じます。

 

 

■市民のための京都、持続可能なまちづくり・観光

kyoto30_2_1_4

次に京都市長からのビデオメッセージに、皆で耳を傾けます。

「京都はCovid-19下における深刻な状況のなか、インバウンドだよりにならない市民のためのまちづくり、持続可能な観光ができる街をつくっていきたいと考えています。また、持続可能な社会をつくっていける市民を育み、都市経営としても、SDGsの視点をおさえたまちづくりをしていきたいと考えています。

京都には素晴らしい文化力と歴史力、そして、それを支える京都の人間力がある。けれど、それを生かしきれていないのではないかと思います。これから30人のみなさんがそれらをうまく活かし、お力を発揮されることを期待しております。」

と、熱意のこもったメッセージを受け取りました。

 

続いて、京都市の総合企画局総合政策室SDGs・レジリエンス戦略担当の方から、京都市で実践されてきたSDGsの取り組みをご紹介いただくと共に、今回への意気込みについて発表いただきました。

京都市はエネルギー消費を減らす活動として「歩くまち京都」を推奨し、それによりマイカー利用が減ってきていること。ゴミの排出量が、ピーク時は82万トンあったものが41万トンと現在は半減したこと。学童クラブなど子育て教育環境を充実させてきたこと。

また、大学や企業さんと連携しての社会実装プロジェクトなど、これまでの取り組みを広い視座からお話しいただき、「そうか、そういうこともSDGsの観点にはいるのだな」とあらためて、京都におけるSDGsについて具体性を伴って考えを深められるような発表となりました。

kyoto30_2_1_5

そして、今年4月に京都市に新たに新設された都市経営戦略室の方からは、都市経営とは持続可能であるまちづくりであることが話されました。

「京都市は歴史があり豊かな住環境や制度がある一方で、20,30代の転出も多く見られ財政が厳しい状況があります。京都には文化、美しい景観、子育て環境、防災対策など、様々な良さがありますが、その強みが活かしきれていないのではないか?と感じています。

”暮らし・働くまち”として、人々にとって心地よい距離感、安心感があるコミュニティから、それをさらにシステムや仕組みに落とし込んでいくこと、また、企業にとってワクワクするようなチャンスが感じられるような都市をめざしていきたいと思っています。」と語られ、京都市の方々の現状を幅広く冷静にみつめる眼差しと、市民をあたたかく包みこむように未来を展望する姿を画面越しに、皆が深く聴き入っていました。

 

 

■関係性を豊かにすることが、SDG’sにつながっていく

今回、協力企業として参加してくださっている、京都信用金庫さん、みずほ銀行さん、(株)ヒューマンフォーラムさん、アミタホールディングス(株)さんにも、それぞれの取組の紹介と今回への意気込みについても話していただきました。

金融機関でありながら今年11月2日に「QUESTION」という様々な人達が出入りし、交流できる場をオープンしたばかりの京都信用金庫さん。「地域金融機関として多様な人材が躍動している社会をめざし、人と人がつながり、エモーショナルで人間らしい関係性を地域に増やすことで、結果的にSDGsな地域社会が実現されるはず!」と、「QUESTION」をオープンした経緯も交えたお話があり、皆から「行ってみたい」の声が集まります。

人と自然が豊かになる、持続可能な社会をつくることを基軸にリサイクル事業や、循環型社会地域モデルの構築事業などをされているアミタホールディングス(株)さんは、「人間関係と心の「密」をつくりたい」「誰もが安心と生きがいを実感できる社会をつくりたい。」「そのために、これから、物や情報の見える化、そして、どう資源を回収していくのかというところに力をいれていきたい」と語っていただきました。

 

 

 

■サステナブルな観光、資源の共有

次のフューチャーセッションは、SDGsに関する2つのテーマで数名ずつに別れてのセッション。

・テーマ1:SDGs Services「観光をツールとして、京都のSDG’sを推進するには?」

・テーマ2:SDGs Culture「資源の共有で、お金に依存しない豊かさを得るには?」

テーマ1に関しては、祇園祭をVRで体験できるなど観光をデジタル化し、資源を消費せずに京都の文化を体験できるようなことができたらいいのでは、という話が出ていました。

テーマ2では、京都市の方が、給付金の申請書の書き方を聞きに来る高齢の方が多かったことを例にあげ、区役所に来なくても家族や地域コミュニティで知恵の共有ができないのかな、といったことが話されていました。

それぞれ違う立場だからこその視点に、SDGsとは?持続可能とは?といった問いに、具体性が帯びてくるのを感じます。

 

 

■「これまでの京都」から「いまの京都」「これからの京都」

次は、オンライン・フィッシュボウル。
テーマは「京都をつなげる30人だからこそできる具体的なアイデアは?」

すでにさきほどのセッションを受けて、話したくなった方々が次々に手をあげ、対話を展開していきます。

「飲食店の元気を取り戻していきたいです。不特定多数ではなく、特定少数の方に繰り返し来ていただくようなモデルをつくりたい。そのためには関係性を築くことが大事だと思います。」

「お寺の観光をメインにしていると、外から来た人としては”次は違うところに行きたい”と思ってしまいます。京都はカフェ文化、路地裏、商店街、地域に根ざした場所など、グローバルのマジョリティから抜けたいような人たちが好む面白いところもたくさんあるんです。新しく出てきている、現在の京都の文化はどこにあるのか?を考えていきたいです。」

「ホテルは宿泊だけの場所ではないので、場としてなにか有効活用できないかと考えています。そういった様々な資源、リソースを一覧できる、京都のリソースマップをつくれるといいのではないでしょうか。」

と、すでに様々なアイデアの種が生まれ始めます。

Covid-19の影響を大きく受け、街が寂しくなってしまっているところを違う視点から京都をみつめなおすことで、京都の街を元気づけたいという京都市民力の温かみを感じます。そして、「これまでの京都」に寄りかかるのではなく「いまの京都」「これからの京都」をみつめようとする姿に力強さを覚えました。

この対話から、より深めたいテーマが13個ほど出てきました。次回は、これらを元に個人またはチームとなって、プロジェクトシートを作成し、持ち寄って話し合うプロセスに入っていきます。

 

 

■いまの京都と出会い直す

kyoto30_2_1_6

最後のチェックアウトでは、

・京都らしい暮らし方、働き方としての観光を考えていきたい
・京都の人が京都を好きになる街になっていくといいなと思った

など、京都という街を新しく捉え直している様子や

・4時間は長いと思っていたけれど、あっという間だった
・偶然同じグループになった人と面白い話ができたので、引き続きもっとお話したい
・ワクワクする話しができました。早くチームビルディングをしていきたい

と、今後への意気込みを感じるコメントが多くありました。

京都に暮らす人達は、元より個人主義の人は少なく、暮らし方や働き方のなかにも常に周囲の人を慮り、支え合うコミュニティを培っていく強さがあると感じていました。しかし、Covid-19がもたらした社会変化によって、つながっていく力、全体を守ろうとする力がさらに強くなっていると実感できるDay1でした。

ここから、次回はそれぞれが構想するプロジェクトについて話し合うことを通して、さらにお互いを知り合いながら、それぞれの社会課題を深めていくプロセスに入っていきます。

変化が求められることを皆が肌で感じ、変容に向けて動き出したいと集まった前を向く30人。その面持ちはどれも真剣で、かつ明るい力に満ちています。

この30人から新しい京都の風景が見えてくるかもしれないと、これからに向けての期待が高まります。

 

 

文章:兼松 真紀

編集:長田 涼

Share (facebook)