2週間前のDay5ではプロジェクトのコンセプトデザインを行いましたが、今日は事業モデルをより具体的に検討していきます。
その上で非常に重要なことは、この「京都をつなげる30」に行政・企業・NPOのクロスセクターメンバーが集っていることの価値を最大限発揮して、30人8つの全プロジェクトが相互支援し合うコレクティブインパクトを目指して、事業モデルを共創していくことです。
イントロダクション 〜プロジェクトコンセプトの振り返り
前回の課題「自組織やステークホルダーにプロジェクトのコンセプトについてプレゼンをし、フィードバックをもらって来ること」を踏まえ、ここまでの振り返りの言葉をチェックインとしてお話しいただきます。
- ・「話が小さくまとまっているのではないか」という率直なフィードバックをもらい、もっと多くの人を巻き込める可能性を感じた
- ・同じ課題意識を共有し、協力するよと言ってくれる人の輪が広がってきているのを感じる
- ・環境系プロジェクトはこれからの時代より重要になるが、会社の事業として取り組むには、落とし込むためのビジョンが必要になるというアドバイスをもらった
- ・具体的にビジネスモデルを考えるフェーズにきて、とてもワクワクしている
- ・自分たちのプロジェクトがどのように街の姿を変えていくのか、もっと議論していきたい
- ・名古屋に行くと「名古屋をつなげる30人」と出会い、東京に行くと「渋谷をつなげる30人」と出会い、こんな繋がりができてくるんだという可能性を面白く感じている
ゲストトーク 〜京都市オープンデータを活用しよう
本日は特別ゲストとして、京都市情報化推進室でオープンデータを担当されている谷内さん。
京都市と連携した、オープンデータを活用した自転車の社会課題解決アイディア発案・取り組み実施によって、東京大学主催の「チャレンジ!!オープンガバナンス2017」で、最高位である総合賞を受賞された黄さんにお話を伺いました。
京都市のリソースで、まだまだ知らないもの・活用しきれていないものが沢山あること。そして、自転車の社会課題解決として市民協働の素晴らしい取り組みが既に沢山あることに気づかされました。
それらと連携しながら、持続的に発展していけるよう、共創していくことの大切さをひしひしと感じます。
ビジネスモデルキャンバスを共創する
午後からは、プロジェクトの事業コンセプトをデザインしていく中で、クリアになって前に進んできていること、同時に、浮き彫りになってきた各人・各チームが葛藤を抱えていることを含めて、リアルな最前線を共有し、互いにフィードバックし合います。
何度も何度も「自分たちが、自分ごととして取り組みたい社会課題は何か?」という問いに立ち返りながら、何度も何度も「自分たちが提供できる価値は何か?」「その課題はどのようなイノベーションを起こせば解決できるのか?」と議論し尽くしてきている各チームと30人。
そのプロセスを通して、プロジェクトが磨かれていくだけでなく、確実にチームを超えた30人の信頼関係・協力関係が築かれていっているのを実感します。
互いのフィードバックを受けて、ここからは各チームに分かれてビジネス・モデル キャンバスを描いていきます。
それぞれの事業を「本当にやっていきたい」と思った時に持続可能に取り組んでいくために、このフレームワークを活用して事業を盤石なものとして構想していきます。
もし埋められない枠があるならば、そこは他のチームとディスカッションをし、協力し合いながら創りあげていきます。
※ビジネスモデルキャンバスとは:ビジネスの要素を9つに分類し、それぞれがどのように関わっているのかを分かりやすくしたフレームワーク
コレクティブインパクトを目指す
冒頭に特別ゲストの取り組みを聞いて感じたように、「そもそも、自分たちと同じような取り組みをしている人が隣にいるのに、互いに気がつかずバラバラでやっていると、結果的に街が本当に良くなったかどうか分かりづらい」ということから生まれた概念が、コレクティブインパクト。
複数のプロジェクトを横断してプロジェクトリーダーたち皆で集まり、共通のビジョンとその成果指標を掲げ、プロセスを共有して相互学習しながら助け合って進んでいくプラットフォームを作るのが、コレクティブインパクトの考え方となります。
今回は8プロジェクトを「まちづくり」と「ひと」に分け、それぞれの共通ビジョンをグループで立て、その評価指標を検討します。
まちづくりグループ
- 京都を移動しやすくチーム
- まちづくり×映像チーム
- 再生材×循環×洛西口チーム
- 街の百貨店化チーム
▼ビジョン
- 「多様な色を受け入れるまちづくり」
- マスのサービスは便利だけれども標準化されている側面がある。一方で、京都の魅力は多様性や選択肢の多さにあり、そこで暮らしていく人たち一人一人が自分らしく生きていくことを応援できるまちであること。そこから、マスへの集中を減らしながら、ローカルの力を高めていきたいという思いを込めて、このビジョンを設定した。
▼各プロジェクト
- 動きやすい、働きやすい街をつくる(移動チーム)
- なにかしたい人たちを応援する(街の百貨店化チーム)
- 心地良い暮らしの選択肢を増やす(再生材×循環×洛西口チーム)
- 地域の多様性の色を映像で可視化する(まちづくり×映像チーム)
▼評価指標
- いろんな色のプロジェクトに参加する人たちを量って、地域ごとの色の分布を可視化する
ひとグループ
- 京都の人事部チーム
- 愛され京都(旧 関係人口)チーム
- エンジェル京都チーム
- terart(旧 お寺×企業)チーム
▼ビジョン
- 「自他共栄」
- 自分を活かし人を活かし、自分も周りもみんなが幸せであることを大事にするという思いを込めました
▼各プロジェクト
- 仕事で遊ぶ大人を増やす(京都の人事部チーム)
- 自己を手放す(terartチーム)
- 検討中(愛され京都チーム)
- 検討中(エンジェル京都チーム)
チェックアウト
効率化・大都市化の流れに対してローカルの多様性を打ち出す「まちづくりグループ」、関係性の希薄化の流れに対して自分も人も大事にする価値観を打ち出す「ひとづくりグループ」。
グループごとのビジョンを立ててみることによって、「京都をつなげる30人」1期の全8チーム2グループが目指す、効率化でもない・過去に戻るのでもない、第三の道が顕著に現れ出てきました。
いよいよ次回は最終回。
約半年間のジャーニーの締めくくりであり、これからのプロジェクトの幕開けを告げる日は3月3日。まだまだ目が離せません!
《文章:内英理香》