つなげる30人新聞

【京都をつなげる30人 第2期 Day5】〜おわりがはじまる前に〜

kyoto30_2_5_1

“2月3日”となるのは珍しい2021年の立春の日、京都をつなげる30人第2期のDay5セッションが行われました。

清らかに澄んでいく空気のなか、京都では緊急事態宣言の延長が発表され、なんだかウズウズする春のはじまりを感じます。

 

冒頭のチェックインでは、

「先日はじめて、メンバーと顔を合わせたら、急にスッとなにかが通じる感じがした」

と、リアルでは会えないもどかしさ、直接会える喜びを語る方もいたり、

「ずっと空中戦をしているような感じだけれど、普段、常に顔を合わせて何が生み出されるか細かく組み立てていく、というコミュニケーションに慣れていたので、逆にこの空中コミュニケーションから、どんなものが生まれ得るのか楽しみでもある」

「ついアウトプット優先になりがちだけれど、アウトプットがないいまでも、この時間自体に価値があるし、とても大切なプロセスなんだということを、自分も意識していたいし、みんなにも堂々と伝えられる自分でいたい」

と、ポジティブにゆったりと構えた姿勢の方が多い印象でした。

 

チーム発表

チェックインのあとは、各チームそれぞれの進捗を発表していただきました。

◇京都の多様性再発見

トップバッターのこのチームでは、京都に暮らす人々の暮らしが分かる新しい観光地図の制作を発表。

・文化、というのは、見えないもので出来ているところが多い。
・どうやったらその見えないものにはたらきかけられるんだろう。
・人々の無意識を美しく育てるには。
と、深い問いが投げかけられます。

そういった、人々の無意識に立体的にはたらきかける地図、というコンセプトに聞いている側もすでに、その地図を体験したい、とワクワクしてきました。

京都下鴨修学館を運営しているCiftさん、下京暮らしの手帖を手がけるメンバーなど、すでに地域に根ざして活動しているメンバーの強みが充分に活かされたプロジェクトは、地に足がついた説得力があります。

「集めようとしていても、なかなか集まらない絶妙なメンバーに出会えていて、このプロジェクトが楽しくて仕方がない」という声にも表れているように、メンバー同士すでにざっくばらんに思いを話しあえるような関係性をつくれているこのチーム。その背景にも、コミュニティ運営の経験があり、コミュニケーション能力に長けた人たちの素質が生かされているのを感じます。

 

◇持続可能な観光

kyoto30_2_5_2

持続可能な観光チームでは、時節柄、多忙になる錦市場さんがなかなか参加できていなかったため、メンバー皆が錦市場を実際に訪れて対話を広げるという、優しいやりとりがされていました。

そして、錦市場での食べ歩き問題についてメンバーで検討したアイデアを発表。この食べ歩き問題を解決すると同時に、日本の文化、マナーを観光客にも知ってもらう機会になるようアイデアを検討中です。

まずは錦市場からスタートしつつ、続いてこれまでも検討してきた洛西口でのサーキュラーエコノミー社会実験へと展開していくことで、「持続可能な観光」というテーマで、様々な地域でまた違う持続可能な観光という取り組みが生まれていくプラットフォームとなっていく未来が見えてくる感じがします。

 

◇持続可能な働き方

kyoto30_2_5_4

こちらは、オトナリラボさんが中心となって、子育てと働く、について悩んでいる当事者と対話するイベント、QUESTIONさんが主体となって、京都に暮らす人の働きかたをインタビューする企画、スピンズさん、京都移住計画さん、スノーピークさんで対談イベントを企画と、メンバーそれぞれが持っているリソースを使い、一つの企画というよりも、同じ背景をもった別々のものを走らせてみています。

それぞれのメンバーが自分でプロジェクトを持ちつつ、ゲストとして互いに参加しあったり交差して、有機的につながっている感じが面白いプロジェクトです。

「最初に絵を描くのではなく、その先に、なにかが作られていく安心感のなかで、ゆっくりプロセスして育てていきたい。
だから、イベントなど、すぐできることから始めている。」

というメンバーの言葉には、いますでにあるもの、目の前にあること一つひとつを大切にしていく京都人らしさを感じます。

 

◇多様なみんなで暮らす

このチームでは、LGBT,シングルマザー、孤立している学生など、孤独感と生きづらさを感じている人が、気軽に立ち寄れるオープンスペースをつくることを構想しています。

Covid-19による社会変化のなか、なにか思っていても、相談できる人がいない学生が多いという学生の声を拾い、そうした引きこもりがちな学生が安心できるような居場所づくりのアイデアを発表してくれました。

井戸端会議が起こる「井戸」はここでは何なのか、入り口を明確にすることで、具体的が帯びてくるはずと、さらに構想を進めていきます。

引きこもっている人たちのオンラインミーティングといったイベントも構想中です。

 

◇持続可能な企業

kyoto30_2_5_3

こちらは、これまでのReLocalのコンセプトはそのままに、企業さんとローカルのみんなとつながっていく、という長期的視点に立ったプロジェクトへと変遷を遂げました。

「木造建築」をテーマに集まったメンバーでしたが、いまは、ReLocalというキーワードでしっかりと繋がっていることを感じます。

「他のチームは、ソフト面での取り組みが多いし、あえて、ハードでやっていこうとなって、それなら逆に自身のリソースが活かせます。」という株式会社Fujitakaさん。これまで様々な地域事業を展開されてきたNPO法人みのりのもり劇場さんやGardenLabさんの知見など、メンバーの持つ様々な面が活かせそうです。

このあと、メンバーで京北を訪れる計画ということで、その後の発表には、さらなる具体性が出てくることが楽しみです。

 

 

わたしの情熱 わたしたちのリソース

次のワールドカフェでは、それぞれの取り組みに関わる
・個人としての情熱
・活かせそうな組織のリソース

について話し合ってもらいました。

普段のチームメンバーとは違う面々での対話に、はじめは少し新鮮な戸惑いもありましたが、阪急洛西口にTauTをオープンさせたエキ・リテール・サービス阪急阪神さんは、

「自分自身も旅行が好きで、民間企業としてまちづくりをしたかったので、いまの仕事は本当に喜んでできる幸せな仕事。にぎわいをつくりたい。というのが自分の情熱です。」

と話し、素敵ですねー!の声が集まります。

ReLocalというコンセプトでプロジェクトを進めているみずほ銀行さんも、

「メガバンクだって地域に溶け込んでいっていいんだ、という情熱をもってやっていきたいです。」

と、熱い思いを語ってくれました。

 

 

アットホームな雰囲気、等身大の自分

その後のチームミーティングは、「次、どうしよっかー?」と、ホームに帰ってきた!という、くつろぎの雰囲気のなかで対話が進められました。

チェックインで、

「背景が異なっても、同じことを語り合える気持ちよさや、それぞれの創造性を感じられて、プロジェクトを実現できるとしても、できなくても、出会っているこのプロセスを大事にしていきたい。」

と話してくれた方もいましたが、対話することで確かに関係性がゆっくり育まれていっているのを感じます。

また、社会人2年目でまだ戸惑いがあるメンバーに、等身大で楽しんでできることをやっていけばいい、とメンバーのありのままの可能性を引き出す、社会人先輩の姿と、それに感謝するメンバーの微笑ましい姿もありました。

 

 

おわりがはじまり

kyoto30_2_5_5

いよいよ、最終発表となる次回までに、各チームでは、これまで作り上げてきたコンセプト、構想をもとに、なんらかの実験やプロトタイプ制作を行います。その体験のうえで、プロジェクトを洗練させ、最終回では、ゲストに様々なステークホルダーも招いての発表となります。

今回のチェックアウトでは、

「それぞれの発表を聞いて、そんな考えがあるのか、と刺激になった」
「アウトプットの形は違っていても、根底の部分が共通しているように感じて、共通のものを持っていることで、生み出せる新しいものがある可能性を感じた」
「毎回毎回それぞれが変化していて、生命体という感じがしている。皆が変化し自分も変化している豊かさがある」

と、皆で関わり合うことの面白さや、参加しているメンバーそれぞれへの感謝の気持ちがめぐると共に、

「次が最終、というと、ここで終わり、というイメージをもってしまうけれど、この先も続いていく、どう続けていくのか、ということを意識しながら、やっていきたい」
「終わりも始まりに見えてきている」

と、最終回を意識しつつ、ここで終わらない関係にしていきたいという願いと、未来に向けた温かいまなざしのようなものを感じました。

 

なかなか直接会ってミーティングを進められないなかでも、だからこそ、ゆっくり醸成されてきた関係性、その網目は、もしかすると、簡単に色々な人に出会えすぎる現代においてはかえって貴重な、ぬくもりのある手紡ぎ糸の織物ように、無理のない素朴さと、逞しさと、それぞれの光を映す合間を残した京都らしいものとなっているのかもしれません。

そんな皆が踏み出す次の一歩は、慎ましくもしなやかなで、色合い豊かな糸を未来にかけてくれそうです。

kyoto30_2_5_6

 

 

文章:兼松 真紀


Share (facebook)