セクターの壁に橋がかかった!「気仙沼をつなげる30人」を主催して感じた喜びと葛藤とは?

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不定期にお届けする、つなげる30人メンバーへのインタビュー企画。

今日は2019年の8月から3ヶ月に渡って気仙沼をつなげる30人を主催いただいた、一般社団法人まるオフィスの小林峻さんに来ていただきました。気仙沼で実施された背景や、実施してみてどんなことが起こったのかなど、お話しいただきました。

 

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ー実施経緯について教えてください

よろしくお願いいたします。

気仙沼市では震災後、地域に暮らす若者に、より地域づくりに参画してもらえる機会を作るべく、2013年より「気仙沼市担い手育成支援事業」という事業を行っています。

代表的なプログラムが「ぬま大学」という、参加者の「やりたい」を形にするための実践塾です。これまで約66名の意欲ある若者が参加してくれ、気仙沼を自分の手で盛り上げるプランを作ってきました。

今回の気仙沼をつなげる30人は、この発展版のような位置づけで、一人ひとりのチャレンジがより進化していくために、民間のチャレンジャーと行政の皆さんが同じ目線で思いを共有し、対話をしていく場が必要だと感じ、今回のつなげる30人というプログラムに期待をしていました。

 

ー実施をしてみてどんなことが起こったんですか?

始める前は(本当にプロジェクトが出来あがるだろうか)と不安な気持ちもありましたが、3回のセッションを通じて8つのチームが立ち上がり、その中のいくつかのチームは精力的に活動を継続されています。

子育て環境をよくしたいと立ちあがったチームは、セッション後も行政の方と継続的にやり取りをし、情報共有や連携が進みつつあります。ビーチクリーンの実施を提案してくれたチームは、つなげる30人で出会ったメンバーと連携し、お互いの人脈を共有しあったことで、地域の商工団体の事業としてこの活動を推進していこう!という動きが起こっています。

その他のチームも、つなげる30人が終わった後、地元の主力プレイヤーと打ち合わせを行ったり、活動の実施に必要なリソースを集め出していたりと、主体的な取組みが展開されています。

何より、個人的に嬉しかったのは、なんとなく知っている程度の関係だった皆さんが、セッションを通して、セクターの壁を超えて仲良しになったことです。

お互いが目指している地点や、人となりをよく理解し合える時間だったからこそ、双方の関係に橋がかかったんだろうなと思っています。

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ー実施において難しかったことはなんですか?

いくつかあるのですが、新しいプロジェクトが立ち上がることによって、参加者の負担が増えすぎないようにするにはどうしたらいいのかをすごく悩みました。

気仙沼は人口が多いわけではないので、みんな何かしらの中心を担っていることが多いんです。新しい活動が生まれることはとても喜ばしくて、本当に応援したいんですけれど、それによって本業が疎かになるということだけは避けたいと思っていました。

皆さん本当に、日々気仙沼へ貢献している方々に集まっていただいたので、誰も潰してはいけないというか。

 

ー今後について教えてください

ただ、これからもこうして官民の境目を無くしていけるような取り組みはぜひ続けて行きたいと思っています。

新しい方とのコミュニケーションなど、短期的な視点では少し負担が増えてしまう面もあるかもしれませんが、中長期的に見れば、気仙沼で活躍する方々どうしがつながり、手を取り合いながらプロジェクトを実現していくことで、各セクターにかかる負担がぐっと減ると思っていますし、自分たちが実現したいことにチャレンジできる土壌もどんどん開かれて行くはずだと信じています!

Slow Innovationという理念には共感する点が多かったので、プレイヤーどうしの繋がりを促進して、おもしろい気仙沼、住みよい気仙沼を作って行きたいです。

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小林さん、熱いメッセージをありがとうございました!

 

●一般社団法人まるオフィスについてはこちら
https://maru-office.com/

 

 

文章:相内 洋輔

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